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コリーの仔犬の育て方
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 5. しつけと訓練  6. トリミングと耳セット  7. おかしいな?と思ったら 8. フィラリア予防

8.フィラリア症とその予防

フィラリア予防の重要性と使用する薬の注意!!※重要
みなさまは、フィラリア症をご存知でしょうか?恐らく、犬を飼ったことのある方、犬好きの方なら聞いたことはあるはずです。しかし、初めて犬を飼う方の中には、よくご存知ない方がおられるかもしれませんが、この病気は犬にとって、致死率も高く、命の危険のある感染する病気なので、絶対に知っていて欲しい病気です。これは、他の伝染病のようにウィルス感染するものではないので予防ワクチン接種による予防はではなく、毎月の飲み薬等で100%予防できるものです。
但し、この予防薬も種類があり、その種類によってはコリーの命を奪う可能性もあるので、コリーの飼主は必ず正しい知識を持った獣医師さんに処方して頂くと同時に、飼主自身も正しい知識を知っていて欲しい重要事項です。必ず、以下をご覧下さい!!
●フィラリアとは何か?
フィラリア症とは、「犬糸状虫」という体長30センチ前後の線虫(そうめんのように細く長い虫)が心臓に寄生するという考えただけでも恐ろしい病気です。この寄生虫は、蚊に刺されることで感染し、心臓に寄生することで様々な弊害を起こします。心臓から肺や肝臓、腎臓といったあらゆる臓器に障害をもたらし、発症すると致死率が高いとても怖い病気なのです。
日本でも、この病気が知られるようになり予防が可能になったのは、さほど昔ではありません。私も子供の頃に飼っていたヨークシャ・テリアをこのフィラリア症で3歳という若さで失いました。当時は獣医ですら、この病気を熟知しておらず予防薬もありませんでした。でも、今は完全に予防できる病気なので、しっかりと予防して大切な私達の愛犬を守ってあげましょう。
フィラリア症は、既にフィラリアに感染しているワンちゃんの血液を吸った蚊が、他のワンちゃんを吸血することにより感染します。フィラリア成虫は犬の体内で幼虫(ミクロフィラリア)を産むことで繁殖していきます。
その犬の血を蚊が吸うと、ミクロフィラリア(L1)が血液と共に蚊の体内へ吸い込まれます。蚊に吸血と共に移動したミクロフィラリア(L1)は、蚊の体内で成長と脱皮をくり返し、感染能力のあるミクロフィラリア(L3)幼虫に成長します。この感染能力のあるL3を体内にもった蚊が犬を刺したとき、L3が蚊から犬の体内に入って感染が成立します。
その感染したフィラリアの幼虫(L3)は犬の体内に入って約3ヶ月間は皮下や筋肉の中で成長します。(感染後約10日前後でL4、約60〜70日でL5になります。) その後、静脈から血管に入って血液の流れに乗って心臓に向かい、感染後約4ヶ月でそうめん状の白い細長い成虫となり、ワンちゃんの心臓や肺動脈に住みつきます。この成虫の寄生が原因となり体にさまざまな異常を引き起こし、最後にはワンちゃんの命も脅かす存在となります。
生殖機会を得たフィラリア成虫はそこでミクロフィラリアを産み、ミクロフィラリアは血液に乗って犬の全身を流れながら蚊に吸われる機会を待ちます。このように、蚊と犬の体内を巡回しながら子孫を増やしているのが、フィラリアという虫なのです。
フィラリア予防薬は、L4期のミクロフィラリアの段階で駆除するものです。但し、血管には出口が無いので、腸などに住み着く回虫等とは違いその死骸がワンちゃんの対外へすぐに排出出されることが無いので、L4期以上に成長したフィラリアを駆除することは、血管を詰まらせることとなり、ワンちゃんを死に至らせる危険が有ります。つまり、感染犬をそのまにしておくなら、感染している犬はもちろん、周囲の健康な犬の健康も脅かすこととなります。
フィラリア成虫の寿命はおよそ5〜6年といわれています。大型犬の寿命が10〜13年と言われていることから考えると、感染したらまず愛犬に命の危険があること、何よりも心臓や肺にそうめんのような虫が寄生しているので、生きていることが苦しいような状態になることを考慮し、必ず予防してあげることが飼主の義務だと思います。この病気は、予防さえすれば完全に防げる病気なのですから!!
但し、予防についてもコリーに関しては、注意が必要なので以下をご参照ください。
●フィラリアの予防法
繰り返しますが、フィラリアはきちんと予防薬を投与すれば100パーセント防げる病気です。フィラリア予防薬には以下の3つの方式があります。
(フィラリアの予防薬とは駆虫薬であり、万が一感染していた場合害の無いミクロフィラリアの段階で駆虫することにより予防する薬なので、厳密に言えば予防薬では無く駆虫剤です。が、それ以上の感染を防ぎ健康体を維持するという意味で予防薬と言えます。しかし、ミクロフィラリアの殺虫剤であること、コリーという犬種の薬に対す副作用について考慮しつつ投与してあげて下さい。)
@ 錠剤・散剤(粉)・チュアブル等のおやつ型など毎月1回口から入れるタイプ。
A 半年に1回注射をするタイプ。
B 毎月1回液剤を皮膚に直接滴下するスポットタイプ。
最も一般的な予防薬は、@のタイプです。ABについても後述します。
口から入れるものはあとになって吐き出したりしないことの確認が必要ですが、長い年月にわたって薬の実効性と副作用の軽減が研究されているので安心です。但し、このコリーの場合、前述したように、他の犬種よりも薬に対する抵抗力が弱いので使用を避けるべき種類があるので注意が必要です。
中でもイベルメクチンを使用しているものは、コリーへの使用は危険!と言われており要注意です。
フィラリア予防薬は必ず獣医師に犬の血液検査をしてもらい、体重を計ってから処方してもらわなければなりません。なぜなら、気づかないうちにフィラリアに感染している犬に予防薬を投与すると、薬の作用で死んだ虫が犬の血管に詰まり、犬が突然死することもあるからです。また、薬の量が多いと副作用でショック症状を引き起こす危険も有ります。予防薬を通年飲ませ続けているケース以外は、毎年きちんと予防していたとしても翌年には必ず血液検査を受けて体重を測定し、適切な薬を処方して頂きます。予防薬を飲ませる期間やその他の注意についても後述します。
●フィラリア予防薬について
予防薬の投与の重要性は充分にご理解頂けたと思いますので、次に予防薬の種類と注意について、以下に、コリーオーナーでもある獣医師さんによる、「フィラリア予防薬の種類についての解説」を参考に記載しておきます。
日本国内では、イベルメクチンミルベマイシンオキシムモキシデクチンという三種類の薬剤が承認されています。これは、それぞれ薬剤名での表記となっていますが、商品名としては、イベルメクチンは、カルドメック錠(チュアブル)・パナメクチンという商品名で、ミルベマイシンオキシムは、ミルベマイシンA錠(顆粒)・システックという商品名で、モキシデクチンは、モキシデックという商品名で販売されているようです。但し、薬剤名は発売元によって名称も変わるので、万国共通である薬剤名イベルメクチン(Ivermectin)・ミルベマイシンオキシム(Milbemycin Oxime)・モキシデクチン(Moxidectin)で覚えておくと良いようです。
イベルメクチン(Ivermectin)  商品名:カルドメック錠(チュアブル)・パナメクチン等
コリー飼いの間では、イベルメクチンは、コリーには危険ということで知られている薬です。しかし、獣医師業界では認可されている薬であれば、基本的には安全とされていますので、処方されることも少なくありません。では、なぜ危険といわれているのでしょうか?
ひとつには、「投与量」にあるようです。実はイベルメクチンは、フィラリア予防だけでなく、疥癬(かいせん)や毛包虫(アカラス)の駆虫薬として使われる(人間の疥癬にもイベルメクチンが使用されています)ことがあります。フィラリア予防薬として投与されるイベルメクチンは少量なのですが、これらの駆虫薬として使われる場合は、その50〜100倍以上の量が必要になります。このレベルの投与になると、多くのコリーに副作用が生じ、ふらつく、倒れる、意識混濁、昏睡などの神経症状が見られたり、死に至ることもあるそうです。
もうひとつは、「投与法」の問題です。安全性の確認されているフィラリア予防薬は全て飲み薬です。昔は、現在のように「月に一度飲ませる予防薬」がありませんでしたので、フィラリア予防に毎月イベルメクチンを注射する獣医師もいたようです。しかし、この方法は経口投与に比べると同じ薬でも薬効が強く、吸収量も多くなるので過剰投与となり、コリーには非常に危険なのです。
なので、月に一度、注射を打つのは危険です!!また、毎月1回液剤を皮膚に直接滴下するスポットタイプも、量的にはかなり高用量になるためコリーへの使用は避けたほうが良いようです。
以上の理由から、他に予防薬が無いのなら別ですが、他に安全が確認されている予防薬があるので、コリーに関しては別の薬を使用することをお薦めします。だって、予防のために飲ませた薬で愛犬が苦しんだり、死亡したりするなんて、悲劇すぎますもんね?
ミルベマイシンオキシム(Milbemycin Oxime)
                       商品名:ミルベマイシンA錠(顆粒)・システック等
この薬も以前は、コリーに副作用が出ると問題になったそうですが、現在は改良が加えられて、コリーでも使用可能になった薬です。
この薬は、フィラリア予防量で同時に、回虫、鉤虫、鞭虫も駆除ができてしまうという特徴があります。アカラス治療にも使用可能です。
こちらのお薬を使用されているコリーちゃんも沢山いますので、ほぼ安全と言えるように思います。
モキシデクチン(Moxidectin)                  商品名:モキシデック
フィラリア予防量としては、もっとも安全性の高い予防薬とされているのが、このモキシデックです。稀に、犬種を問わず体質に合わないワンちゃんもいるようですが、コリーに関してはトラブルの報告も無く安全だと考えられています。
我家のミルキーも、毎月モキシデックを処方して頂いて飲んでいます。
但し、同じモキシデックでも、効果が半年持続するという注射で打つタイプのものは、犬種を問わずショック症状の報告があるとのことですので、コリーへの投与は必ず、毎月飲ませるタイプを処方して頂いて下さい。
●フィラリア予防薬の投与期間
以上までを読んで頂ければ、おわかりになる通り、予防というよりは早期段階での駆除になりますので、愛犬がミクロフィラリアのL3期幼虫を持つ蚊に刺されてからL5期幼虫になる前期間に薬を投与して駆除してしまうことが予防となります。ですから、フィラリア予防は蚊が活動するシーズンと大きな関係があります。
できるだけ、愛犬が蚊に刺されないことが大切ですが、それは不可能ですので蚊の吸血時期になったら投与を開始します。
全国平均で、フィラリアの予防しないで蚊のいるシーズンを越した犬は、約50%、翌年も予防しないと90%、3回予防しないシーズンを越した犬は100%近くがフィラリアに感染しているという統計があります。
蚊は気温室温が約14度以上になると吸血活動を開始し、14度以下では刺すことなく活動停止したり死ぬようです。蚊の活動期は、日本では北海道から沖縄まで気候の差が大きいため何ヶ月ものズレがあります。投与期間については、お住まいの動物病院で適切な投与時期の指示を受けてください。
関東地方では、5月〜12月くらいまでとされています。但し、その年によって蚊の期間も異なりますので、その都度考慮して投与します。蚊を確認してから1ヶ月以内に開始し、蚊を見なくなってから1ヶ月後まで投与するのが良いようです。
毎月投与タイプのものを与えている場合、数日の投与が遅れても問題はありませんが、万が一、L5期以上の幼虫、成虫に成長したフィラリアがいた場合は、愛犬の命の危険を伴いますので、できるだけ決められた日に投与するようにします。
また、その年の最後の投与から翌年の開始時期までに期間が開きますので、最後の投与が非常に大切となります。蚊のいなくなった時期の翌月まで与えるようにして、投与休止期間にフィラリアが成虫になる可能性を排除することが大切です。
「もういいだろう」と思って最後の投薬をせずフィラリアになってしまう犬が多いそうです。最後の投薬をきちんとしなければその年の投薬がすべて無駄になってしまうからです。そして、翌年の投与開始前には、必ず血液検査をしてから投与を再開しましょう。

万が一、フィラリア感染していたら・・・
フィラリアの治療には大きく分けて4つの選択肢があります。
  1. 手術で成虫を取り出す方法。
  2. 薬で幼虫と成虫を全滅させる方法。
  3. 薬で幼虫だけを殺して成虫はそのままにする方法。
  4. 虫に対しては何もせず、 咳を抑えたり貧血を改善したりする対症療法。
どの方法を選ぶかは症状の度合いと犬の年齢・体力などから総合的に判断されるようです。
 1. 手術で成虫を取り出す方法。
手術で成虫を取り出す場合は、犬に全身麻酔をかけ、喉のところを切開して、血管内に物をつまめるようになってい管を挿入します。それをフィラリアのいるところまでゆっくり進めて成虫をつまみ出します。この手術は獣医師さんの経験と腕次第のようで、フィラリアによって傷つけられもろくなっている血管の中に管を入れるため、血管が破損したりとリスクも大きいようです。
確実に駆除できる方法なのかもしれませんが、フィラリアの数や大きさにも左右されるでしょうし、犬への負担も大きい気がします。
 2. 薬で幼虫と成虫を全滅させる方法。
 3. 薬で幼虫だけを殺して成虫はそのままにする方法。
2.3.の薬によって幼虫と成虫を全滅させる治療と、幼虫だけ駆虫する治療は、薬剤による犬への負担と、駆虫によって死んだ虫が血管に詰まる恐れがあります。
ですから、この治療法は比較的に体力のある犬に治療法が選択されるケースが多いようです。幼虫・成虫の駆除に関しては薬の投与で調節されます。コリーのように薬に弱い犬種の場合、成虫の完全駆除に使用する薬の投与にもリスクが伴います。
 4. 虫に対しては何もせず、 咳を抑えたり貧血を改善したりする対症療法。
犬の年齢や体力が手術や、薬の投与による駆虫治療に耐えられないと判断された場合は、対症療法をすることになります。
気管支拡張剤によって呼吸を楽にすることにより、犬の苦痛を軽減したり、腹水がたまり始めているときは利尿剤によって排尿を促進させたり、フィラリア症による症状を緩和し、いかに毎日を楽にさせてあげられるかという対症療法を行なうことになります。つまり、辛い思い完全に取り除くことはできないわけです。
以上のように、発見が早ければフィラリアは完全に治る可能性は高いとは言えません。手術や駆虫が成功しても一度傷ついた血管や影響を受けた臓器は、完全に元通りになることが無いので、治療後も犬は大なり小なりのダメージを抱えたまま生活していくことになります。
このことからも、フィラリア予防は犬にとって必須のものと言えます。
100%防げる病気で有り、感染すると苦しみの伴う病気なのですから、軽く考えずに必ず予防してあげて下さい。わんちゃんの命は、私達よりもずっと短いものなのですから。。。
参考文献:コリークラブ発行「Collie Fancy2006.01」
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